差し歯による治療
差し歯による治療
希望の歯の形や色を教えてください。
当院では、患者さんと歯科医師・技工士も含め相談を繰り返し、アレンジを加えた差し歯を作成しています。
差し歯ってどんなものか知っていますか?
「差し歯」は人によってイメージがさまざまで、よく誤解される歯科用語です。あまり歯医者に行かない患者さんの場合、部分入れ歯を「差し歯」と思われている人もいるくらいです。
「差し歯」はこんなものだという正式な定義はないですが、ここでいう「差し歯」とは歯の根だけ残っているとき、その上に被せ物の歯を作る治療を考えてください。
歯の一部がなければそこに「差し歯」はできません。また歯が割れていたり、十分な長さが残っていなかったり、むし歯がひどかったりすれば「差し歯」はできません。
歯の根を利用して、木の切り株のような土台を差し込んでセットする歯が「差し歯」です。
差し歯の構造
治療方法は、神経を取り除く処置をした歯に(歯の神経を取る治療の項目参照)、芯となる金属またはプラスチックの土台(コア)を立てて補強し、さらにその上に人工の歯(クラウン)を被せる処置になります。
つまり、歯の根・土台・被せる人工の歯の3つで構成されます。20年位前はこの土台と人工の歯が一体となったものもありましたが、今ではあまり見かけなくなりました。
良い差し歯とはどんなもの?
患者さんの思う良い差し歯は下記を満たすものだと思います。
患者さんの思う「良い差し歯」
- 治療が早く終わること
- 痛くないこと
- 見た目が良く噛めること
この3つが患者さんが希望する、良い差し歯のポイントだと思います。これらの要件を満たす治療は、保険治療であっても問題なく十分期待に応えることは難しくないと思います。
では次に、当院が考える「良い差し歯」とはどういうものなのかをお話しします。
当院が考える「良い差し歯」
- 外れないこと
- 歯周病になりにくい形であること
- 繰り返し作り直せること
- 機能を考えた見た目の良さと、噛み心地の良さがあること
上記4つは最低限満たしておきたいポイントだと考えています。
「良い差し歯」の相違点
患者さんの思う良い差し歯の3つのポイントと大きく違うのは、目の前のメリットだけに終わる治療ではなく、将来的なメリットを踏まえている点です。
同じ人であっても、若い時と老いた時では体の状態は違います。一生同じ状態ということは決してありません。全身の細胞に入れ替わりがあるのでご理解いただけると思います。
この状態で1年が過ぎ、「同じ人工補綴物をつけたままで大丈夫なのだろうか?」と考えるのは自然なことです。「ずっと不具合がないから心配しなくてもいいや」と考えることの方に無理があると考えます。
「繰り返し作り直せること」の重要性
このような考え方より、できるだけリスクを排除し、最悪の時には作り直すことも想定して差し歯を製作しなくてはならないのです。特に私たちが考える「良い差し歯」の3番目のポイントの【繰り返し作り直せること】が欠けている治療は多く見られます。
ここだけの話、土台(コア)を必要以上に強固に取り付けたため、土台が外しにくくなっている治療も多く見受けられます。
もちろん、良い差し歯を入れる大前提として適切な診断と根管治療などを含む基礎工事がしっかりしていることが挙げられます。良い差し歯を入れても、土台が悪くなり歯を抜くなんてことになれば差し歯自体の価値がなくなるためです。歯が残っていているからこそ「差し歯」が効力を発揮するのに、歯が残っていないのは本末転倒です。
当院では、自由診療で劣化しにくい材料を用いて、オーダーメイドによるふさわしい差し歯になるよう製作に励んでおります。
当院が考える「良い差し歯」を作るため、治療にかかる時間は短くありません。しかし患者さんがご納得いく差し歯へ仕上げるのに必要だとお考えいただければ、適正な時間だと感じていただけると思います。
日常での見た目の良さと快適性を追求
患者さんが一番興味をお持ちであることは、「見た目の良さと噛む快適性」だと長年の治療経験より感じることが多々あります。当院としても可能な限りご要望を叶えたいと考えておりますので、希望の形、歯並び、色などをお話しください。その声を忠実に再現し仮歯を製作します。
さらに何度も何度も修正を加えて、患者さんと歯科医師・技工士がより納得のいく形に作り上げていきます。
必ずしも、きれいな歯並びを患者さんが好むとは限らないケースがございますので、こちらからも積極的にご提案させていただき、患者さんにより自分の歯並びに関心をもっていただくよう工夫しております。
手間暇かけて作る仮歯こそが、実は自由診療で作る「差し歯」の価値だとお考えください。
先程の「当院が考える良い差し歯の4つのポイント」に加え、さらに細かい部分まで何度も吟味して製作します。
治療をしていただくにあたり、基礎工事もしっかり診断しております。実際の細かい部分の工夫やその価値は当院にお越しいただければ、より詳しくご理解いただけると思います。
差し歯やブリッジにするか、部分入れ歯にするか悩まれている患者さんへ
当院では、1本~数本の歯が抜けているか、グラグラしているので治療の必要がある患者さんの場合に、差し歯やブリッジ、部分入れ歯も両方とも体験することができます。
普通は、入れ歯をまず作ってしばらく入れ歯での生活を送っていただきます。それで何も問題がなければ、そのまま入れ歯を使われて結構です。
入れ歯では快適に過ごせない、あるいは差し歯やブリッジも経験したいという患者さんは、仮歯という形で差し歯・ブリッジを経験していただいています。
そして、どちらがいいかは患者さんが決められたらいいと思います。
ただ、その他の残っている歯の状態や、将来的に何らかの問題が発生しそうなときは、院長が十分な説明をいたしますので、そのうえでご判断いただければと思います。